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本ほんが大好だいすきな美香みかは東京とうきょうの古ふるい商店街しょうてんがいを歩あるいていると、小ちいさな古本屋ふるほんやを見みつけた。 古ふるい木きの看板かんばんがかかり、店内てんないからは紙かみの香かおりが広ひろがってくる。 興味きょうみをそそられ、美香みかは店みせの中なかに足あしを踏ふみ入れた。

店内てんないには古ふるい本ほんが壁かべ一面いちめんに並ならんでいた。 その静しずかな空間くうかんに、時ときが止とまっているかのような雰囲気ふんいきが漂ただよっている。 ふと棚たなの奥おくに目めをやると、見慣みなれない古ふるびた革かわの表紙ひょうしの本ほんが目めに留とまった。 表紙ひょうしにはタイトルがなく、ただ金色きんいろの模様もようが刻きざまれているだけだった。