Exploring the forgotten forest

夏休なつやすみが始はじまった日ひ、拓也たくやは家いえの近ちかくにある古ふるい森もりに入はいった。 その森もりは「忘わすれられた森もり」と呼よばれていて、近所きんじょの人ひとたちは誰だれも近ちかづかない。 「森もりに入はいると帰かえれなくなる」という噂うわさがあったからだ。 しかし、拓也たくやは冒険ぼうけんが好すきで、噂話うわさばなしなんて信しんじなかった。

森もりの中なかは暗くらく、涼すずしい風かぜが吹ふいていた。 木々きぎの間あいだを歩あるいていると、急きゅうに奇妙きみょうな石いしの階段かいだんを見みつけた。 それは地面じめんに向むかって下したに続つづいていた。 「何なんだこれ？」と小声こごえでつぶやきながら、拓也たくやは好奇心こうきしんに負まけて階段かいだんを降おりていった。