りかは10じゅうさいの女おんなの子こです。 夏休なつやすみ、りかはおばあさんの家いえに行いきました。 おばあさんの家いえは小ちいさな町まちにあります。 そこには山やまや川かわがあり、静しずかでとてもきれいな場所ばしょです。

おばあさんの家いえには古ふるい道具どうぐや本ほんがたくさんあります。 ある日ひ、りかは本棚ほんだなでふるい箱はこを見みつけました。 「おばあちゃん、これは何なに？」りかはおばあさんに聞ききました。 おばあさんは少すこし笑わらって、「それはまほうの箱はこだよ」と言いいました。

りかはびっくりしました。 「まほう？ほんとうに？」と聞ききました。 おばあさんは「この箱はこには自然しぜんの力ちからがあるんだ。 使つかうと、特別とくべつなことができるよ」と言いいました。 りかはわくわくしながら、おばあさんに箱はこをどう使つかうか聞ききました。

おばあさんは「まず、心こころを落おち着つけて、深呼吸しんこきゅうをしてごらん」と言いいました。 りかはおばあさんの言いうとおりにしました。 箱はこをそっと開あけると、中なかにはきれいな小ちいさな石いしが入はいっていました。 おばあさんは「この石いしには自然しぜんの力ちからがあるんだ。 この石いしを持もつと、山やまや川かわ、木きや風かぜの気持きもちが少すこしわかるようになるんだよ」と言いいました。

その日ひから、りかは毎日まいにち、石いしを持もって山やまや川かわを歩あるきました。 ある日ひ、川かわのそばで、小ちいさな魚さかながはねるのを見みました。 りかは魚さかなに「こんにちは」と言いいました。 すると、不思議ふしぎなことに、魚さかなが少すこしこちらを見みた気きがしました。 りかは「この石いしの力ちからかな？」と思おもいました。

次つぎの日ひ、りかは山やまに行いきました。 木々きぎの間あいだを歩あるきながら、「風かぜさん、今日きょうはどんな日ひですか？」と聞きいてみました。 すると、そよ風かぜがやさしくふいてきました。 りかは「風かぜがこたえてくれたかも！」と思おもい、とても楽たのしい気持きもちになりました。

夜よる、おばあさんに「今日きょう、川かわの魚さかなと風かぜとお話はなしできたかもしれない！」と話はなしました。 おばあさんは「りかちゃん、自然しぜんと仲良なかよくなったんだね。それが本当ほんとうのまほうなんだよ」と言いいました。 りかはまほうの箱はことおばあさんに感謝かんしゃしました。 自然しぜんの声こえを聞きくことができて、とても特別とくべつな夏休なつやすみになりました。